日本一の臆病者が見た映画「永遠の0(ゼロ)」の感想。

カテゴリ:映画 | comments(0) | 2014.01.14 Tuesday 17:51 |
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あかん、泣いた。
久々に映画で泣いた。



百田尚樹さん原作・岡田准一さん主演の映画「永遠の0」を見てきました。
日時・場所は、1月13日午前10時45分、TOHOシネマズ梅田シアター3。その日2番目の上映でしたが、中央から後列(プレミアムシートあたりから)はほとんど埋まっていたと思います。上映が終わって出てきたら、次の回のお客さんでごった返していました・・・

※以下あらすじ・ネタバレ・感想があります。
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「永遠の0」あらすじ


司法試験に落ち続けていたイケメンの兄ちゃん(佐伯健太郎/三浦春馬)。
ある日、祖母(松乃/井上真央)の葬式で実の爺ちゃんがいることを知ってまうねん。おかん(清子/風吹ジュン)と姉ちゃん(慶子/吹石一恵)は知ってたみたいなんやけどな。そんなこんなで、姉ちゃんが「一緒に本当の爺ちゃん調べようや!」って言うさかいに、渋々承諾して調べるようになったんや。

ほんでから、当時の爺ちゃんを知る人たちに次々と会っていくねん。

爺ちゃんの名前は宮部久蔵(岡田准一)。
零戦(ゼロ戦)パイロットで腕前はピカイチやったけど、いっつも綺麗な機体で帰ってくるから逃げ回ってると思われとって、「臆病者」やと言われてたんや。そんな久蔵の口癖は『死にたくない』。当時はお国のために命をかけるのが当たり前で、生きて帰ろうと思うものなら、非国民扱いされたんやで。

聞く人聞く人に同じようなこと言われたさかい、健太郎は気が滅入ってしまうねん。
でも、井崎(現在:橋爪功・当時:濱田岳)、武田(現在:山田學・当時:三浦貴大)、景浦(現在:田中民・当時:新井浩文)、そして大石(現在:夏八木勲・当時:染谷将太)の4人に出会ってからは、本当の久蔵の姿を知るようになるねん。

そんな久蔵が何故海軍に入り、特攻隊に志願し、そして命を絶ったのか。
妻(松乃)と子(清子)を愛すことに全力を注いだ「臆病者」の裏に隠された、真の物語・・・。




感想


何といっても最新のVFXの凄さに感動しました。
まず巨大な航空母艦「赤城」、そして空を飛ぶゼロ戦。真珠湾攻撃のシーンや、空の戦闘シーンなどなど、クオリティが半端ないですね。テレビで特集番組を見た時はCGっぽさがあるなと思いましたが、スクリーンだとほとんど気にならないレベル。現在のCG頼りな映画はあまり好きではない私でも、境目が分からない映像に感動しました。

そして映画「永遠の0」は、4人の視点から見た久蔵の真の姿が物語として描かれています。

■濱田岳・橋爪功演じる井崎から見た宮部久蔵
航空母艦「赤城」で最初に出迎えたのが井崎、その後転戦。
久蔵の計算ではガダルカナル島への出撃は非現実的で、往復だけで相当の時間がかかり、実際の戦闘は数十分。案の定予想は的中。戦闘を終えて帰還する直前に、小山(KAT-TUN・上田竜也)の乗るゼロ戦の燃料が足りなくなり、無理だと悟った小山は戦闘へ戻ることを選択する。

それに気づいた久蔵は、止めようと前を必死になって妨害。
小山もその思いに気付き基地へ戻るも、結局は燃料切れで海上に不時着。フカ(サメ)に食われて命を失うと言う結果に。

当時の人たちは、戦死させてあげるのが最善の選択だと考えている。
井崎は小山を戦死させてやらなかった久蔵に対して嫌悪感を持つが、久蔵に言われた「とにかく生きることを第一に考えろ」という言葉のおかげで、撃墜されても必死になって海を泳ぎ命を守りぬくことができた。

濱田岳さん、ドラマだと脱力系な演技が多いので少し心配でしたが、カチっとした役もかなり良かったです。訛りの台詞を言わせたらピカイチじゃないでしょうか。現在の井崎を演じた橋爪功さんとの雰囲気のシンクロが半端なかったです。

橋爪さんは言わずもがな、ベッドの上にいるだけでオーラが凄まじいです。

■三浦貴大・山田學演じる武田から見た宮部久蔵
学徒出陣で久蔵の部隊に配属され、特攻隊になるべく日々訓練に励むも、久蔵から「可」をもらえず苛立ちを募らせている。そんな中、訓練で1人亡くなり、「あいつはたるんでいた」という上官の一言に久蔵は「勇敢な男」だと反論。執拗に殴られる久蔵の姿に、武田含む部下たちはその奥にある思いを知る。

部下を思う久蔵の言葉は、特攻隊を希望する若い子たちの心を動かした。

超がつくほどの2世ですが、俳優としての演技はなかなか上手いと思います。演技の幅が少し狭いですけどね・・・

■新井浩文・田中民演じる景浦から見た宮部久蔵
景浦は久蔵を目で追っていた。久蔵の敵から逃げる姿に怒りを持ちつつも、ゼロ戦を華麗に操る能力に嫉妬している。模擬空戦をしたいがために、久蔵の周りを執拗に飛び回る景浦、そしてその挑発に乗る久蔵。縦横無尽に飛びまわる久蔵を何とか射程圏に捉えるも、さらりとかわされ後ろに回られてしまう。ふたたび景浦の前に来た久蔵に対して、理性を失った景浦は本当に攻撃してしまうが、なぜか反れてしまった。景浦は久蔵に敗北した。その後、皮肉にも特攻隊員と特攻機の援護員として再開することに。

久蔵の最後の姿を見た人物。

景浦はその後も生き残り、なぜか借金取りから松乃と清子を救っています。
ここのエピソードは、景浦の名前が出てこなかったのが良かったです。「あーあの人か!あの日本刀は・・・」ってね。

新井浩文さんは、表情に一番の魅力を感じました。
特に模擬空戦で久蔵に屈したときのあの表情。セリフは何もいらない、あの表情を見ただけですべてが分かってしまうほど。全体的な演技はもちろんですが、顔で見せる演技はこの「永遠の0」の中で一番だと思います。

現在の景浦を演じた田中民さんは、そこにいるだけで空気をピーンと張りつめる威圧感を感じました。冷静に淡々、時にはドスが聞いたセリフで、ちょっとビクっとしました・・・

■夏八木勲・染谷将太演じる大石から見た久蔵
大石賢一郎、実は健太郎の二人目の祖父。武田と同じく学徒出陣で集められた中の一人。久蔵が米機に襲われる中、大石が機体を体当たりをして救うも、自らが大きなケガを負ってしまう。担架で運ばれる大石に対して「あたなは死んではいけない」と怒鳴る久蔵。その後、病床に見舞いにきた久蔵のやさしさに触れる。

そして特攻隊員として久蔵と再会。

特攻当日、久蔵から慣れ親しんだ旧型ゼロ戦への機体交換を頼まれる。
大石のゼロ戦はトラブルから特攻できず、不時着。直後に久蔵の思いを知ることになる。

現在の大石を演じた夏八木勲さんは、これが遺作になりました。
冒頭すぐに最愛の妻を亡くし泣き崩れるシーン、本当のお爺さんについて調べたいと健太郎から言われるシーン、清子と健太郎と慶子に真実を話すシーンと出演は少ないですが、存在感は大きいです。もうこの演技が見られないと思うと悲しいですね。

染谷将太さん、この方も顔で見せる演技が素晴らしい。
井上真央さん演じる松乃に対し、初めは命を守ってくれた久蔵への使命感だったのが、この人を守らなくてはという恋心へと変わる演技にはグっとくるものがありました。




久蔵の表情に注目


特攻隊基地のある、鹿児島の鹿屋(かのや)に配属されてからの久蔵の衰弱ぶりは凄かったです・・・
意志が固い人間であっても、日々命をかけて出撃する隊員の姿を見て、心が萎えていったのがうかがえます。ただ、特攻当日には表情が晴々としていました。大石と機体を交換したエピソードは、機体を誰よりも熟知していた久蔵だからこそ。誰よりも生きることに執着していた久蔵が特攻を選んだ理由すべてが、ここに集約されています。

ちなみに、私の父方の高祖父母は鹿屋生まれです。


そして特攻


話は少し戻りますが、特攻のほとんどが失敗に終わるシーンは心を締め付けられました。
米艦目指して突っ込んでいくときには完全に的状態。激突する前に機体はボロボロになり、そして海に落ちていく。映画で見ているのはCGですが、これが現実に行われていたと思うと言葉になりません。お国のため、母のため、家族のため・・・特攻を否定すると亡くなられた方たちを否定することになるわけで、本当に難しい。でもこんなことさせちゃ駄目だ、怒りが湧いてくる。

ラスト約15分。
健太郎が実の祖父と現在の祖父との関係を知り、誰もが見ることのなかった久蔵の特攻までのシーン。

最後はこみ上げるのを抑えられず号泣。
米艦をめがけて弾を避けながら超低空飛行で近づき、急上昇後に急降下。あの高度なゼロ戦テクニックが、この日のためにあったなのだと思うと悔やまれます。ラストの表情、これが無いのとあるのとでは大違い。表現は良くありませんが、救われた気持ちになりました。

久蔵は臆病者なんかじゃない。
ただただ妻と子を思い、部下を思い、そして日本の未来を思い生きた熱い男でした。


覚えておきたいシーン


・松乃が火葬場に入れられた直後、大石賢一郎(夏八木勲)が涙を流しながら泣き崩れるシーン
・宮部久蔵とゼロ戦を交換した大石が、機内から手紙と写真を見つけるシーン
・娘の清子、孫の健太郎と慶子に真実を打ち明けるシーン

久蔵の松乃と清子への思いは大石に託され、大石はその思いを愛に変え松乃と清子を守りきり、そして大石から清子と健太郎・慶子へと繋がれたわけです。


ちょっと残念なシーン


一つは健太郎と友人による合コンシーン。
こちらは原作でもあるのか分かりませんが、ここはバッサリ切ってしまっても良かったと思います。そしてラストのラスト、岡田さん演じる久蔵の特攻直前の表情後の「永遠の0」の文字。あそこは余韻を持たすために、普通にフェードアウトで良かったんじゃないかと。ここはバッサリ切られると逆に萎えてしまいます。

そんな感想です。


余談ですが、私の母方と父方の祖父ともに戦争には行ってません。
それでも母方の祖父はデラ台風で、父方の祖父は病気で若くに亡くなりました。自分の両親のことさえあまり知らないのに、祖父母のことはもっと知らない人がほとんどだと思います。でも聞いてみると「へえーそうなんだ!」という発見があったりして、意外に良いもんです。以下リンク先は、二人の祖父について書いています。

母方の生まれ故郷「日振島」とデラ台風慰霊碑を訪ねる
きっかけは一枚の写真から 〜おそらく幕末から始まる自分のルーツ〜

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